令和、れいわ、REIWA、いいじゃないか

短編&エッセイ

 おじさんのブログといえども、一応「日記」という体裁をとっている以上、新元号に全く触れないというわけにも行くまい。と言うわけで今回は「令和」について。「もう決まっちゃったんだから、面倒な議論はヤメにしようよ」、みたいな(六十男にありがちな)ものぐさ根性が頭をもたげるが、それに抗って、とりあえず今の気分を記録に残そう。

 最初に「令和」と聞いたときの印象としては、「令」の字に意外性と新鮮さを感じて、さらに口に出したときの響きも美しいと思った。ひらがな三文字で言いやすい、やっぱり短いのはいい。それに響きが良い、簡単に書ける、三拍子揃った良い元号かな・・・。

 でも本当のことを言うと、「え!、何これ。これが新しい元号?。たしかに REIWA という響きはいいけど、なんとなく落ち着かないな・・・。」というのが正直な気持ちだった。

 案の定、ネット上でもテレビなどのメディアでも、特に安倍政権に批判的な人たちから、けっこう辛辣な意見が出ている。左派政党の人たちは、元々天皇制や元号に反対の立場なので、もちろん褒めるわけはない。いろいろと文句を言う。典型的なのが、「お上の命令に国民は和して従えという意味じゃないか」という解釈。

 最初に「令和」と聞いたときには、ぼく自身も意外性というか違和感を感じたのは事実なので、それが何に起因しているのか自分なりに分析してみることにしよう。

 まず「和」の字については、「昭和にも使われていたのに、なんで引きずるの?」という批判はあるだろう。しかし元号によく使われる定番漢字なので特に問題はない。問題は「令」の字だ。この字を元号に使うとは思わなかった。この字を元号に使っていいのかな?

 手前味噌になるが、先週のブログでぼくが提案した「幸」や「興」、さらには無難な「光」などの方がずっと良いのに・・・。特に「幸」は、過去に使われたこともないので新鮮だと思うのだが、おそらく、「元号に使う漢字は俗用されていないこと」という条件に引っかかったのだろう。でも「幸」は、平凡で、意味が明瞭で、八方丸く収まるとても良い字だと思う。


画像:OK辞典(okjiten.jp)より

 さて、問題の「令」の字である。この字の元々の甲骨文字は、上の画像が示すように神殿などの屋根の下で「ひざまずいて神の意志を聞く人」を表している。そこから、1.「命ずる」という動詞、2.「法、おきて」などの名詞、さらに 3.「立派な、めでたい」という形容詞がそれぞれ派生してきたと思われる。

 元号に使われる文字としてぼくらが「令」に違和感を抱くのは、それが「命令の令だから」という点に集約されるだろう。上に示した解字の 1 と 2 だ。なんとなく上の方から見下ろされているような、「姿勢を正して」聞かなくてはならないような・・・。多くの人が抱く「キリッとした」とか「凜とした」という印象も、この辺りから出ていると思われる。

 しかし「令」の字には、3 の「立派な、めでたい」という意味があるのを忘れてはならない。普通に生活している現代人のほとんどは、「令」の字にこうした意味があることをまず知らない。ぼくらが感じる微妙な違和感もそれが原因だろう。

 さて、「令和」の出典は万葉集だという。「初春の令月にして、気淑く風和ぎ」というフレーズから「令」と「和」をとった。場面としては、初春のめでたい月(縁起の良い月)に、皆で梅の花見をしたというシチュエーションだ。つまり、だれかの「命令」とは全く関係なし。

 しかも「令」の字には元々、「神の意志を聞く」といった意味合いが含まれているので、皇室の年代表記である元号に使用する字としてもふさわしいと言える。好むと好まざるとに関わらず、天皇を象徴としていただく「日本」の国民にとって、まずはめでたい元号なのだ。

安弘、広至、久化、万和、万宝

 今回の元号選定にあたって最終候補に残っていたのが、上の五つに「令和」を加えた六つだった。令和以外は、どれを見てもパッとしない、新鮮味がない、江戸時代に逆戻りみたいな元号だ。やっぱり「令和」が一番いいと思う。テレビの報道を見る限り、国民の受けもどうやら上々のようだ。

 少子高齢化、製造業の停滞、景気の低迷、年金制度や医療制度に対する不安などなど・・・。明るい希望がなかなか持てない現状の中で、老いも若きも「和して日本を盛り上げて行こう」という気分を表した元号、それが「令和」だと思う。

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