先日「森林鉄道が完成間近!」という記事をアップしたばかりだが、そのレール上を人力で走る「レールバイク」の試作機が、松原スポーツ公園に到着した。
さっそくレールに載せて、うまく走るかどうか試して見ることに。普通の林鉄レールなら別に問題はないのだが、今回ぼくらが敷設した部分はカーブが「半端なく」きついので、果たしてうまく曲がれるかどうか、作業に参加した我々全員が不安でいっぱいの状態。
これがその問題の部分。確かに見事な曲線で、美しくさえある。しかし指導してくれたプロの親方でさえ「こんなすごい曲がりは俺もやったことが無い」というほどの究極のカーブなのだ。
実は、この部分を作るときにレールを曲げる作業で、曲げすぎたレールがパキンと折れてしまうという事件が起きた。これその時の様子。
拡大するとこんな感じ。鉄のレールがこんな風に折れてしまうなんて信じがたいが、そんなパワーを生み出すのがこの機械だ。名前を「甚九郎」という。
機械の機能としては、レールベンダー(rail bender:レール曲げ機)と呼ぶべきだが、林鉄プロの我らが親方はこの機械を「ジンクロウ」と呼んでいる。「甚九郎さんという人が発明したのかな」とぼくは思ったのだが、調べてみると、Jim Crow(ジム・クロウ)という英語名が由来らしい。黒人に対する別称だとも言われている。Jim Crow Raw とは、アメリカの有名な黒人差別法のことだ。なぜレール曲げ機を Jim Crow と呼ぶのかは分からない。
製作会社の社長さん自ら、おそるおそる試乗する。問題のカーブに近づくにつれて、次第に緊張した表情になってくる。
何度かの調整作業を経て次第に調子が出てきた。みんなで順番に試して見る。問題のカーブに来ると、かなり力を入れて漕がないと前に進まない。
二人乗りも可能だ。梅雨が明けたら、そしてコロナ禍が収まってきたら、たくさんの観光客の皆さんにこんな風にペアで乗って楽しんでもらいたいものだ。
曲線部分の全体像。コース全体をゆっくり一周すると、20 分ぐらいはかかるだろう。途中、御嶽山が見える場所や、慰霊碑の丘、水生植物の茂る池、芝桜の道、紅葉の並木などを通り過ぎ、そしてクライマックスがこのカーブだ。結構楽しめるアトラクションになりそう。
五月にアップした記事「懐かしい昭和の森林鉄道(Forest Railway Revival Project)」でも周辺の風景を紹介している。フォトギャラリー付。