懐かしい昭和の森林鉄道(Forest Railway Revival Project)

 かつての木曽は、良質なヒノキで代表される林業をその主な産業としていた。そんな時代の花形がリンテツ(林鉄、森林鉄道のこと)だった。小さなトロッコ列車の線路が「こんなところにまで・・・」と驚くほど山奥まで張り巡らされ、木材を運ぶだけでなく地域住民の足にもなっていた。その懐かしい王滝村のリンテツが、新たな観光資源として復活しようとしている。

 数少ない「実際に動くリンテツ」がある松原スポーツ公園。陸上トラックからは御嶽山が良く見える。ヒメジョオン(姫女苑)の花が丘一面に咲き誇っている。雪解けの進んだ御嶽山も、そろそろ初夏の姿になりつつある。

 これはたぶん、十年以上前の古い写真。リンテツに小学生が乗り込む様子を撮影したもの。この公園は王滝村の村営運動施設でもあり、多目的グランド、陸上競技用トラック(400m)、サッカーコート、多目的屋内施設、野球場などを備えている。木曽川の支流である王滝川沿いにあり、面積は8万平方メートルもある。学校やクラブの合宿などにも使用される。

 1970年代の上松駅。森林鉄道の駅が国鉄の駅に隣接していた。この後しばらくして、木曽のリンテツはすべて廃線となった。(画像クレジット:ブログ「地方私鉄1960年代の回想」)

 公園内には、今でも当時の森林鉄道の線路や切替設備、車庫などがそのまま保存されている。

 現在は運用されていない森林鉄道を再び復活させようと、途切れている線路を延長してつなげる工事の準備が進んでいる。これは線路の下に敷く枕木。

 スポーツ公園入口にある「日本遺産、魅力発信推進事業」の標識。

 所々にこんなに立派なプラットフォームもある。

 2014年の御嶽噴火災害で犠牲者やご遺族を慰めるための慰霊碑。

 しばらく使われていないので線路はすべてサビに覆われている。

 一周して戻ってきた。これが完成すれば、御嶽山は良く見えるし、猿やキジにも会えるし、なかなか変化に富んだ楽しいアトラクションになりそうだ。

 線路延長の予定地。このまま先まで延ばして反対側の端と接続すると、折り返しなしで公園内を一周するリンテツの「山手線」が完成する。距離的にもかなり長い上に、往復ではなくて「一周できる」のがポイントだ。完成するのがとても楽しみ。

松原スポーツ公園20200513フォトギャラリー

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