木祖村ルートから鉢盛山に登る(Mt. Hachimoriyama via Kiso Village route)

 木祖村ルートで鉢盛山に登ってきた。これがぼくにとって初めての登頂。未整備の登山道を確認し、夏のシーズンに向けて草刈りをするのが今回の登山の目的だ。倒木や深い笹藪に阻まれて予定時間をずいぶんオーバーしたが、頂上からの眺望はそんな苦労も一瞬で吹き飛ぶ素晴らしいものだった。

 この写真は朝日村から見た鉢盛山(画像クレジット:朝日村公式ウェブサイト)。日本三百名山の一つでもあり、松本や塩尻からは良く見えるので、松本平でこの山を知らない人はまずいない。ところが狭い木曽谷からは鉢盛山の頂上が見えないので、へそ曲がりのぼくは、ずっと木祖村ルートで登りたいと思いながら果たせないでいた。

 奥木曽湖(味噌川ダム)を上流側から見たところ。味噌川林道はここから出発する。林道の終点にある登山口からは、約3時間で鉢盛山の頂上に立つことができる。また、案内があれば下山途中で木曽川の源頭も見ることができる。

 鉢盛山には「木曽川の源流」がある。木曽川は、長さの割に源頭と河口の標高差が大きいため、美しい渓谷や滝、発電所、ダム湖などが数多く点在しており、日本でも有数の水力発電能力を持つ。魅力あふれるこの木曽川の「始まり」があるのは、鉢盛山中腹の標高 2400 メートルを超える地点だ。

 標柱の説明板。木祖村開村百三十年である令和元年に再建されたもの。

 まだ新しい標柱に、熊が傷をつけている。よく見ると黒っぽい毛が付いているのでそれと分かる。

 これが登山口。

 登山口の標柱。かなり傷んでいる。ずいぶんと草が生い茂って、登山道はほとんど見えない。今日の草刈り作業の先が思いやられる。

 エンレイソウ。漢字で書くと「延齢草」。その名の通漢方薬としても使用される。黒い実は食用となるらしい。いつか試しに食べてみよう。

 ユキザサ(雪笹)。この辺りは標高が低いので開いているが、山頂付近では出たばかりの芽を見つけた。食用になる。

 マイヅルソウ(舞鶴草)。鉢盛山では中腹に群生地がある。秋になると実が熟して赤くなる。

 草藪。所々に登山道が見えないほど笹が茂っている。

 こんな道を草刈りで笹を払いながら進む。

 2200メートル地点から、初めて諏訪湖が見えた。遠くに見えるのは八ヶ岳連峰。天気が良ければ、その向こうに富士山も見えるという。

 サンカヨウ(山荷葉)。

 倒木で登山道がふさがれているところが三箇所あった。枝を払ってなんとか通行可能にする。

 オサバグサ(筬葉草)。筬(おさ)というのは機織りの横糸を通す紡錘形の道具。この草の葉がその筬に似ているために名付けられた。

 山頂。鉢盛山は、木祖村(長野県木曽郡)の最北端に位置しており、頂上で朝日村、松本市と境を接している。標高 2477 メートルの頂上から見下ろすと、松本平や安曇野も良く見える。もちろん、木曽駒ヶ岳、御嶽山、乗鞍岳も見える。

 雲の間から穂高連峰と北アルプスの表銀座が見えた。写真中央の少し左、尖っているのが槍ヶ岳。その左に、前穂高岳、奥穂高岳、ジャンダルムが見える。右の方には常念岳も見えている。快晴だったら、さぞかし迫力満点の眺望だろう。この方角から穂高連峰を見たことがなかったので、参加者全員で、しばらく山談義に花が咲いた。

 頂上の奥50メートルほどのところにある反射板(放送用の無給電中継装置)。ここはきれいに整備されている。しかし日当たりが良くなったために外来種のセイヨウタンポポが増えてしまい、これを駆除するのも今回のミッションの一つだ。

 今年からは、木曽村側からの登山道の整備などを少しずつ進めて行きたいものだ。

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