外出自粛中なので今週も自宅の庭から。たぶん中国のどこかで、動物から人に感染した(または研究所から漏れた?)コロナウイルス。人間界はその影響で大騒ぎだが、草木や虫たちには全く関係のない話だ。植物の新芽が吹き出すと、一斉に卵から孵化して新芽に群がり、また飛び回る虫たちを捕食者たちが網を広げて待ち構えるという、いつもの春の光景。
この季節、バラの新芽をよく見るとこんな光景に出くわす。イバラヒゲナガアブラムシだ。バラだけを目指して集まるアブラムシなので、僕の庭は彼らのごちそうだらけ。肉眼では緑色の粒が集まっているようにしか見えず、普段は指ではたき落としたり殺虫剤をかけたりしているが、今回はその前にアップで撮影。体長は約 2 mm ほどで、植物のウィルス病を媒介することもある。もちろんコロナウイルスではないけれど。
体表が少し白っぽいが同じ種類。背中に羽が生えそうになっているので、これから成虫になるところだろう。すでに第二世代に突入するということだ。ちなみに、アブラムシは植物ごとに集まる種類が異なり、例えば、エンドウヒゲナガアブラムシ、ニワトコヒゲナガアブラムシ、ソラマメヒゲナガアブラムシ、ジャガイモヒゲナガアブラムシなどがいる。
これがアブラムシの成虫。バラの新芽の陰に隠れている。アブラムシの雌は単為生殖で、まるでクローンを産むようにどんどん卵を産む。そして一匹のアブラムシが一ヶ月後には数万匹にまで増える。体は柔らかく、武器もなく、動作も遅い。しかし繁殖力ですべてを補って繁栄しているのだ。
固まって目立たないようにじっとしている蜘蛛。マクロで撮影したので大きく見えるが、実際は 2~3 ミリの小さな蜘蛛だ。一見したところ、葉っぱの表面に落ちているゴミのようだが、網に獲物がかかると素早く動き出す。小さいくせに、さすがは肉食だけあって闘争心はすごい。ぼくがカメラを近づけると、前足を振り立てたり、黄色いお尻を見せたりと、盛んに威嚇するのだ。その様子をフォトギャラリーに収めた。