2018年3月20日 屋上テラスの天文台


天文台のほか、BBQハウス、テニスコートなども備えた青森の「星と森のロマントピア」

 最近は上の写真のような天体観測ができる宿泊施設がかなり増えてきた。中には口径50センチクラスの望遠鏡を備え、その名も「星空コンシェルジュ」という専門のスタッフが様々な機材を使って楽しく解説をしてくれるところもある。雨の日にはプラネタリウムも見られるらしい。ちょっと羨ましい。


旅館御岳の屋上天文台

 そうした新しい施設と比べると、僕が「星のおじさん」として働く濁河温泉の旅館はちょっと見劣りがする。建設されたのは平成元年だから、今年で30年になる。

 望遠鏡は口径31センチだから決して「大型」とは言えない。最新ではないものの、メンテナンスをしっかりしているので性能は維持している。ただし案内人は僕。立て板に水で解説してくれるコンシェルジュと比較するとかなりしょぼい。

 でもここにしかないメリットもいくつかある。まず、標高が1800メートルもあるので、晴れたときには空の透明度が素晴らしい。周辺の景色がすごい。天文台の周りにはテラスがあって、四方の星空を見ながらゆっくりした時間が過ごせる。流れ星だって頻繁に見られる。

 そして一番のポイントは、星を見たあとで「源泉掛け流し」の本物の温泉にゆっくり浸かれること。宿泊客は、午前中の清掃時間を除いていつでも入浴可能。男女の露天風呂は南側に面しているので、あったかい温泉に浸かりながらゆっくり月や星を眺めることもできる。澄み切った本物の星空には、どんな優れた設備もサービスもかなわない。

 そんな中で、僕が一番気を遣うのは子供達。小さいときに大自然や星空の素晴らしさを味わっているのといないのとでは、その後の人生に大きな違いが出てくる。小さな子供達に素敵な体験をしてもらうこと。それが「星のおじさん」の使命なんだと思う。

 あっ、もちろん年配の方々を軽んじているわけではありません。例えば「昔、子供の頃に見た天の川を久しぶりに見た」とか「冥土の土産ができた。ありがとう」とか言ってもらえるのは、こちらとしても非常に嬉しい。

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