御嶽山の七合目、標高約1800メートルにある濁河温泉では、12月から3月までの間に日中の最高気温が0℃を超える日はまず無いといって良い。旅館の屋根で温められて溶けた雪が、氷柱(つらら)となって建物のあちこちらら垂れ下がる。中でもこの氷柱は最大級。
もう少しで地面に届きそうだ。このまま届くこともあるが、ほとんどはその前に氷柱自体の重量で落下する。寝ていると、夜中に氷柱の落ちる大音響で眼が覚めることもよくある。音だけで済めば良いのだが、窓側に倒れるとガラスが割れて大損害となる。
建物を保護するための合板に沿ってできた氷柱の壁。鍾乳洞とか、エイリアンの宇宙船の内部とか、そんな感じの光景だ。今から1万数千年前の地球の寒冷期には、たぶん日本中がこんな気候だったと思われる。温暖化による夏の酷暑も辛いけど、やっぱり寒すぎるより温かい方が絶対に生活は楽なのだ。