氷柱群・氷瀑、今年の寒さは本物!(Earth – Ice Cascade and Icefall in Kiso)

 木曽にある滝はそのほとんどが冬になると凍結し、美しい氷瀑(ひょうばく)となる。訪れる人も少ない冬の山あいに、突如として幻想的な空間が出現する。しかしここ数年は暖冬傾向が続き、冷え込みが足りずに氷瀑の見応えもいま一つだった。

 「今年もダメなのかな」と思っていたところ、師走に入って氷点下 10 度近い朝が幾日も続いている。まだ早いかなと思いながら、それでもある程度の期待感を持って氷柱群と氷瀑の様子を見に行った。

 王滝村の滝巡りの前に、木曽町の冬の風物詩として有名な「白川氷柱群」をチェック。暖冬だった昨シーズンはほとんど氷結せず、恒例のライトアップも中止となって寂しい思いをしたが、今年は年末からこんな感じ。

 去年はほとんど凍らなかった上流部分もこの通り。師走のうちにこのくらい氷結していれば、一月のライトアップにはかなり豪快な氷柱群が見られそうだ。

 王滝村にあるお馴染みの「清滝」。10 月には「 虹の滝 」として紹介したが今ではこんな姿に。もちろん虹は見えないし、滝行を行う人もいない。

 滝の上部はまだ凍っていないが、この寒さが続くと全面凍結も近いだろう。

 よく見ると所々にこんな氷の造形が。ちょっと鍾乳洞を思わせる。

 2020 年の王滝村では熊の目撃が多かった。冷え込みが厳しいので、もう冬眠しているだろうと思っていたのに、新滝近くの山道で丸々と肥った体長 90 センチほどの小熊に出会った。何度か振り返ってこちらを見ながら、尾根の向こうへ消えていった。

 新滝。水の勢いが強いので清滝ほどは凍っていないが、滝壺には氷の壁ができ始めている。その部分だけ氷の塊が青みを帯びている。

 青い部分の拡大。氷の透明度が高いと、光が氷の奥まで届く。するとスペクトルの中で赤い光が吸収されてしまい、結果として青く見えるのだ。

 新滝の全体像。今後も冷え込みが続けば、大きな氷柱が期待できそうだ。

 寒い日だったが、氷柱に日が差すと美しく輝いてしばし見とれてしまった。

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