梅雨明け! 今年の御嶽(Rainy season is over! – Mt.Ontake 2020)

 長かった今年の梅雨もようやく明けた。八月最初の土曜日、さっそく御嶽に登ってみた。今回はただ登るだけではなく、いくつかのテーマを考えていた。幻の滝、六の池、パン皮状火山弾、この三つだ。今年は木曽御嶽にたくさん雨が降ったので、「六の池」はたぶん見えるだろう。「幻の滝」もいつもより水量を増しているに違いない。パン皮状火山弾については、今まで見たことがなかったので(というかその存在を知らなかったので)見つけるのが楽しみだ。

 ロープウェイの山麓駅駐車場はほぼ満車状態。「梅雨明け近し」のニュースに登山者がたくさん来てくれた。嬉しいことだが、県外ナンバーもたくさん見えるのでちょっと不安もある。

 ゴンドラに乗って 15 分。本当は六人乗りなのだが、念のためソーシャルディスタンスを確保しながら 2 名で乗った。上の写真は頂上駅の屋上テラス。天気は最高だ。上の写真で御嶽山の右端に「幻の滝」が見えているのだが、分かるだろうか。

 「幻の滝」のクローズアップ。四の池から流れ落ちる滝だが、やはり今年は、例年よりかなり水量が多いようだ。落差90メートルもある四段の滝だ。「幻の滝」と呼ばれる所以は、しばらく雨が降らないと見えなくなること、しかも黒沢口のこの角度からだけ見えるから。四の池まで行っても、危険な断崖になっていて滝が見える場所まで近づくことができない。

 行場山荘。昔の登山道を中ノ湯から上るときには、ここがちょうど良い休憩場所になる。今回はゴンドラを下りて歩き始めたばかりなので、休憩はしない。

 行場山荘から望む山頂方向。時々雲がかかるが、たぶん天気は持つだろう。

 八合目、女人堂の賑わい。駐車場の車の数を見たので予想はしていたが、御嶽教の信者さんが多いのに驚いた。

 ちょっと登ったところから女人堂を振り返る。

 霧の晴れ間に九合目の石室山荘が見えてきた。見えてからなかなか近づいてこないのが石室山荘だ。

 「オンタデ」という名前の高山植物。御嶽ではごく普通に見られる多年草。実はこの植物、木曽御嶽で初めて発見されたので、御嶽の蓼(たで)でオンタデと命名された。近縁種に「ウラジロタデ(裏白蓼)」があり、こちらは「裏が白い」のでこう呼ばれる。

 オンタデのクローズアップ。岩場や砂礫地、噴火後の火山など、他の植物がなかなか生えない場所でも良く成長する。根っこの深さが 1 メートルにも達するという。オンタデは雌雄異株で、このように花が白いのは雄株。

 覚文行者像。その前にオレンジ色の花が見えるだろうか。これがオンタデの雌株。雌株はこんな風に赤っぽい花を付ける。

 これが話題の「パン皮状火山弾」だ。「御嶽古道マップ」で見かけて以来、どんな石なのか気になっていたが、こんなに素晴らしい標本に巡り会えたのは非常にラッキー。

 石室山荘で昼食休憩。お昼にはラーメンやうどんなどを注文することもできる。宿泊も可能で、登山者にとってはありがたい存在だ。

 だんだん頂上が近づいてくる。

 覚明堂。ここが頂上までの最後の休憩場所になる。

 久しぶりで見た大勢の信者さん。

 「六根清浄」を皆さんで合唱しながら降りて行くと、絶妙なタイミングでホラ貝の音が響いてきた。あたりが不思議な雰囲気に包まれる。

 二の池への分岐まで来ると、遠くに三の池が見える。

 三の池のクローズアップ。拡大しただけなので画質が低下している。ご勘弁を。

 二の池の分岐。右手に二の池を見ながら頂上を目指す。

 晴れ間が拡がってきた。やや雲が多いものの、絶景が広がる。

 噴火に備えたシェルター。よほど大きな火山弾でも、これなら大丈夫。

 頂上の奥社に向かう階段から下を見る。噴火の時に壊れた石灯籠がそのまま残されている。

 頂上付近から、王滝頂上の方を眺める。手前に拡がっているのが「八丁ダルミ」だ。この八丁ダルミの近くに熱源があり、時々有毒ガスが発生するらしい。その危険性から、王滝頂上から剣が峰の間が通行止めとなっている。

 頂上付近から見た二の池。その背後に広がっているのが「賽の河原(さいのかわら)」だ。予定では、賽の河原を越えて避難小屋まで行きたかったのだが、ちょっと時間が足りなかった。ロープウェイの最終便が 16:15 なので、頂上でゆっくり過ごすことができないのが残念。遠くに見えるのが摩利支天山。

 二の池。今年は雨量が多かったせいか、残雪の量がとても少ない。もしかすると、万年雪が消滅する可能性もある。

 実は、これが今回の目的だった「六の池」。中央にやっと見えている小さな水たまりだ。今回は時間の都合で近くまで行けなかったので、頂上から撮った写真を拡大した。六の池とは言うものの、噴火口ではない。雨が降った後にだけ「賽の河原」に出現するので、これも「幻の池」と呼べるかもしれない。

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