中山道・塩尻峠 – 塩尻宿から下諏訪宿(Nakasendo – Shiojiri to Shimosuwa)

【冬も歩こう中山道】シリーズ第1弾。三密を避けながら楽しく歩ける冬の信濃路!

 確かに信州の冬は寒い。しかしながら、松本や塩尻、諏訪などを含む長野県中部は晴れる日が多く、中山道ウォーキングには案外良い季節だといえる。特に長野県中部は積雪が少なく、冬場は基本的に晴天が続くことが多い。汗をかかずに快適に歩ける冬の中山道は、実はとても「おすすめな」ウォーキングオプションなのだ。

 今回は、塩尻宿から下諏訪宿まで、展望の素晴らしい塩尻峠を越えて歩くコースを紹介しよう。JR 塩尻駅から歩くと交通量の多い車道部分が長くなるので、それを避けて「みどり湖」という小さな駅で下車するのがベストだ。歩く距離は、みどり湖駅から峠までが約 7km、峠から下諏訪宿までが約 7km で、合計 14km ほどになる。昼食を含めても 5 時間あれば余裕で歩くとこができる。

 みどり湖駅。塩尻方面から来ると、こちらの出口に出てくる。

 駅から 10 分ほどで旧中山道に出る。しばらく歩くと道沿いにはこんな立派な家が何軒も並んでいて、旧街道を歩いていることが実感できる。

 これも街道沿いの家。塩尻宿の本陣付近は国道20号線沿いで交通量も多く、正直なところ中山道の雰囲気は全く感じられない。永井坂と呼ばれるこの付近では、なんとか昔の情景を思い浮かべることが可能だ。

 延々と続く永井坂。名前の通り本当に長い坂道だ。真っ直ぐに塩尻峠へと続く。

 その永井坂の途中にある首塚。街道から少し外れた畑の中にある。首塚と胴塚があって、戦国時代にここで武田軍と戦って亡くなった松本藩の戦死者を村人が弔った跡だ。

 中山道は、陸橋で長野自動車道の「みどり湖 PA(パーキングエリア)」の真上を通過する。この階段を降りるとパーキングエリアの食堂やトイレを使うことができる。ただし、この施設は基本的に高速道路利用者のためのものなので、大人数でのトイレだけの利用は避けたいところ。さらに食堂や自動販売機を利用するのがエチケットだろう。

 国道沿いにあるワイナリーから穂高連峰を遠望する。広い葡萄畑では、葉の落ちた葡萄の木の間で作業する人が大勢見られる。

 穂高連峰をアップで見るとこんな感じ。11 月なので、まだあまり雪が付いていない。

 国道 20 号を地下道で横切ると雰囲気が一変する。ここからはこんな山道になる。

 山道沿いに見える「牛馬守護神」の石碑。中山道では、峠道の周辺に馬頭観音、牛頭観音などがみられる。峠越えは牛や馬にとっても重労働だった。それをねぎらったり、動物にたいしても感謝の気持ちを表す、当時の人々の優しさを感じる。

 中山道はほぼ直進しているが、国道は急勾配を避けて何度もカーブする。その結果、中山道は国道と時々交差しながら次第に高度を上げる。

 街道脇のナツメ(棗)が「干しなつめ」になっている。

 高ボッチ高原への分岐。

 東山一里塚。木曽路から軽井沢にかけての中山道で、一里塚がそのまま残っているのは非常に珍しい。こんなに綺麗な形で残っているのは、塩尻の平出付近にある一里塚、和田峠の一里塚、そしてここだけではないだろうか。

 親子地蔵。

 塩尻峠茶屋本陣跡。220 年前の建築(門と玄関)が残っており、皇女和宮の御降嫁の際に使われた井戸なども見ることができる。立派な建物と庭があるのに、ちゃんと整備されていないのが残念だ。

 塩尻峠に到着。周辺は「塩嶺御野立公園」として整備されており、駐車場やトイレもある。

 公園内にある展望台。

 展望台に上ると諏訪湖や上諏訪方面、八ヶ岳などを一望できる。

 透明度の高い日には中央右寄りに富士山が見えるのだが、この日は残念ながら見えず。

 山道を 20 分ほど下ると国道端に出る。

 陸橋で国道 20 号を越える。要所要所に中山道の道標があって迷うことはない。

 横河川を渡る。

 コンビニがある出早口(いずはやぐち)交差点。

 長い板塀はなかなか風情がある。交通量の少ない旧中山道を歩いていると、地域の人たちもこの雰囲気を大切にしていることが分かる。

 平福寺は弘法大師ゆかりの名刹。境内はよく整備されていて仏像巡りを楽しむことができる。

 一箇所だけ中山道が川を渡れないところがあり、国道 20 号にかかっているこの「富士見橋」を渡る。

 中山道は、ここで本社通り(国道 20 号)に合流する。

 本社通りを 15 分ほど歩くと下諏訪宿の高札場に到着。周辺には諏訪大社の下社秋宮、温泉街、本陣、下社春宮、万治の石仏、慈雲禅寺など、見どころが多い。

2020 下諏訪宿フォトギャラリー

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