梅雨入り前のこの時期にはノイバラの白い花が満開となる。我が家のノイバラは、数年前に近くの河原から掘ってきて道路沿いに植えたもので、今では高さ4メートル以上の大株になっている。純白の花がたくさん咲くと、なんとも言えない香りが辺りに立ちこめる。ノイバラの学名は、ロサ・ムルティフローラといい、日本原産のバラの一種。房咲きになるその性質から、世界中でバラの交配に使われている。
気温が上がるとミツバチが次々に訪れて、黄色い花粉まみれになりながら蜜を吸っている。よく見るとミツバチの後ろ足には艶々と光るオレンジ色のかたまりが。
これは「花粉団子」と呼ばれ、ミツバチが自分の体に付いた花粉を集めて団子にしたものだ。ビタミン、ミネラル、タンパク質、糖質、アミノ酸など、多種多様な栄養素が豊富に含まれており、ローヤルゼリーに匹敵するほどの栄養価があるという。ヨーロッパではこれを食用にする習慣があり、アイスクリームやヨーグルト、スムージー、サラダなどのトッピングにすると美味らしい。
ミツバチは、大きくなった花粉団子を巣に持ち帰り、幼虫を飼育するための栄養たっぷりなごちそうにするのだ。