七月・八月の星空

7月の新月:13日

 したがって21時頃に満天の星空が見られるのは7月6日~16日。

8月の新月:11日

 したがって21時頃に満天の星空が見られるのは8月4日~14日。

今年の夏の天文現象

 2018年の夏は、いろいろと楽しいイベントが多い。まず7月下旬には火星が地球に大接近する。-2.8等で明るく輝き、なんと視直径が土星を上回る。土星より大きく見えるのは久しぶりだ。屋上天文台の望遠鏡でも表面の模様が見られそう。


画像クレジット:国立天文台 天文情報センター

 8月13日にはペルセウス座流星群が極大を迎え、かなり好条件で観察できる。また下旬には金星が当方最大離隔となり、宵の明星として-4.3等の輝きを放つ。当館の望遠鏡でも、半月のように欠けた姿が見られるかもしれない。また、未明ではあるが7月28日には皆既月食が見られる。

土星と射手座の銀河

 今年の土星は射手座にあるが、その位置がすごい。天の川の一番「濃いところ」、つまり最も星が密集した場所に見えるのだ。このあたりにはM8やM20などの散開星団もある。次にこの位置に土星が見えるのは、約30年先になる。(星のおじさんはたぶん生きていないと思うので)今年の夏は十分に堪能しておきたい。

夏の大三角


画像クレジット:ぐんま天文台

 7月になると、午後9時前には北東の空に夏の大三角が姿を現す。三角形はベガ(織女星)とアルタイル(牽牛星)、そして白鳥座のデネブという三つの一等星で構成されている。七夕の二星の間には、天の川が流れている。今回は、白鳥座といるか座を簡単に紹介する。

白鳥座


画像クレジット:サイト「星座図鑑」より

 まずは天の川に沿って飛ぶ「白鳥座」に注目してみよう。ギリシャ神話で大神ゼウスが化けた白鳥とされている。比較的明るい8個の星から構成される白鳥の姿は、美しく均整がとれているという点では全天の星座の中でもトップクラス。これを鳥の姿と見なすのは、西洋でも東洋でも同じだ。

 東洋の七夕伝説では、織女星と牽牛星、そしてその間に流れる天の川の関係がとても美しいストーリーになっている。織女と牽牛の夫婦は、あまりにラブラブで仕事をしなくなってしまったため、天帝が業を煮やして会える日を一年に一度、七夕の晩だけと制限してしまった。

 でも七夕の晩に雨が降って川の水かさが増えると二人は会えなくなってしまう。そこでカササギが羽を広げ、二人が渡るための橋となったという。星の配列から言っても、すっと納得できる話だ。だから東洋では白鳥座ではなくてカササギ座なのである。

いるか座


画像クレジット:サイト「星座図鑑」より

 夏の大三角が東の空高く昇ると、その下に見えてくるかわいい星座がある。四つの4等星が菱形に並び、そこにチョロッとと5等星の尻尾がついている。魚のようだが、これが「いるか座」だ。僕はこの「いるか座」が大好きで、屋上天文台を訪れる人には必ず紹介する。「初めて見た」というお客さんが多い。都会では4等星はまず見えないので、当然なのだが。

タイトルとURLをコピーしました