「トモエゴゼン(Tomo-e Gozen)」カメラが遂に本格稼働開始

 昨年四月の記事「木曽の天文台 – 巴御前に会いに行く」でご紹介した、東京大学木曽観測所の「トモエゴゼン(Tomo-e Gozen)」カメラが、6ヶ月間のテスト運用を経て、10月からいよいよ本格的な撮影を開始する。この写真は昨年四月に撮影したものなので、ドーム左側の遠方に、まだ白い雪が残る御嶽山が見えている。

 中山道(R19)の元橋の信号(木曽町)から車でほんの 15 分ほどのところに木曽観測所はある。日本でも有数の空の透明度と環境の良さなど様々な条件を考慮して木曽の地が選ばれた。地元民としては嬉しい限り。木曽にある観測所で世界最先端の宇宙探査プロジェクトが行われているのだ。施設は 12 時から 17 時の間で見学が可能。事前に問い合わせると良い。

 これが昨年、ぼくが訪問したときの状態。84 個のセンサーのうち、当時はまだ 21 個のみが取り付けられていた。副所長の青木さんにお願いして 105cm シュミット望遠鏡に搭載されている Tomo-e Gozen カメラを撮影させてもらった。天体写真には通常、CCD センサーが使われるのだが、このカメラにはキャノンの開発した合計 1 億 9000 万画素の高感度 CMOS イメージセンサが使われている。


画像クレジット:東京大学木曽観測所

 今年の春、84 個すべてのセンサの取付けが完了し、Tomo-e Gozen カメラが完成した。これを 105cm シュミット望遠鏡に搭載して撮影を開始。この 10 月から遂に本格的な撮影が始まる。このシステムは、20 平方度という広範囲の夜空を一度に監視することができる。一晩の撮影で得られる宇宙動画のデータ量は 30 テラバイト。なんと映画にして 1 万本分だという。世界初の「広視野動画カメラと人工知能(AI)ソフトウエア群からなる観測統合システム」(木曽観測所のコメントより)なのだ。

 中山道の宮ノ越宿にある義仲館(よしなかやかた)では、義仲の傍らに勇ましく立つ巴御前(ともえごぜん)の像を見ることができる。巴御前は身分がそれほど高くなかったので、「義仲様は将来天下を取るお方なので正妻にはそれにふさわしい方を・・・」という思いから、死ぬまで側室の立場を貫いた。義仲の遠征には常に同行して、敵の武将の首を取ったこともあったらしい。

 先日の「妻籠から南木曾」ウォーキングでは南木曽町にある「巴御前ゆかりの振袖の松」紹介したばかり。巴御前にまつわるこうした伝説が木曽路のあちこちに残っている。例えばこの「振り袖の松」の場合は、巴御前が袖を一振りすると松の大木がバッタリと倒れた。義仲が弓を射るのに邪魔だったから倒したのだという。まあ、伝説とはいえ、これほどの逸話が残っているんだから実際の巴御前もかなり強烈な女性だったに違いない。

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