宇宙の起源やブラックホールは、僕にとってもちろん永遠の関心事なのだが、還暦を過ぎた頃から、実は自分の住んでいる地球のことがすごく心配になってきた。と言っても、いわゆる地球温暖化議論に血道を上げるつもりはない。僕の感では、数十年先の温暖化よりも、長い目で見た寒冷化の方をより心配すべきなのだ。地球は暖かい方が生物にとっては明らかに有利なのだから。
地球は約6億年ほど前、今よりもはるかに低温で氷に覆われていた時期があり、これを「スノーボール・アース(全球凍結)」と呼んでいる。生物はそんな超低温でもなんとか生き抜いてきた。ここ数万年の間でも、地球上の気温が今よりずっと高かった時期もあり、逆にずっと低かった時期もある。地中には、そうした地球の温度変化を示す証拠が数多く眠っている。
僕が今、一番注目しているのは水月湖だ。福井県の若狭湾には、三方五湖(みかたごこ)という大小五つの湖がギッチリと集まっている名所があり、その中でも最大の湖が水月湖である。この「レイク・スイゲツ」の湖底がすごいことになっている。何万年分もの年縞(ねんこう)が奇跡的にしっかり保存されているのだ。
この年縞というのは湖底に静かに降り積もった堆積物が作る縞模様のことで、長期的な地球の環境変化を調査する際の「年代の目盛り」として使うことができる。特に水月湖の年縞は、世界放射性炭素会議総会によって、2012年に世界標準に指定された世界一の年縞だ。
水月湖に関する投稿はたぶん3回くらいのシリーズになりそう。そして来年、2018年の春には実際に水月湖を訪れて、その感想記事を投稿するのが当面の目標。まあ僕ごときが勉強しても結果はたかがしれているのだが、湖底の水深がだんだん深くなって行くというこの神秘の湖を、全身で体感してみたい。そして地球温暖化(寒冷化?)を自分なりに予測してみたいというのが星のおじさんの夢である。
今回の投稿でアップした写真はすべてネット上で拾ったもの。来年の春には、自分のカメラでしっかりと水月湖の姿をとらえてご紹介する予定。まあ、それまで元気で生きていればの話ですけど・・・。