2018年9月25日 木曽福島 ぶらり三時間

 「特急が停まる!」JR木曽福島駅。しかも木曽福島には新宿からの高速バス直行便がある。人口7000人の小さな町に東京から京王バスの直行便があるなんて驚き。地元住民は非常に重宝しているのだが、「採算がとれるんだろうか?」などと心配してしまう。今後も継続されるように、皆さん大いに利用しましょう!

 これが駅前にある「おんたけ交通」の停留所だ。京王バスの新宿行きもここから発着する。もちろん観光案内もしてくれる。ぶらり観光をする人は、まずここで案内マップを手に入れよう。実は最近になって、ここからさらに「濁河温泉」まで直行できるお得なプランが始まった。その名も「お得♪楽々♪新宿高速バス送迎プラン」。自分が働く旅館が始めたプランなので、まあ今回は宣伝ブログ!ということで。

 この企画、手前味噌ながら実にツボを押さえたプランなのだ。御嶽山麓にある濁河温泉は、温泉好きなら一度は行ってみたい日本屈指の名湯。素晴らしいお湯が100%源泉掛け流しで、加温・加水は一切してない。ただし交通の便がちょっと悪い。だから「ただ乗っているだけで着いてしまう」バス送迎付きプランは絶対におすすめ。

 さて、濁河温泉での宿泊後、旅館を出発した帰りのバスが木曽福島駅に到着するのが12時頃。それから新宿行きのバスが出発するまで、3時間ほどのフリータイムがある。そこで木曽町在住の星のおじさんは、「この機会に木曽町の魅力を都会の皆さんにアピールしよう!」と考えた。

 というわけで、僕のお手軽木曽町観光プラン。まず、そば饅頭で有名な「芳香堂」と行列ができるそば屋の「くるまや本店」に立ち寄ってから、本町通りにある御嶽もなかの「田ぐち」へ。そこから目の前にある足湯を楽しみ、崖家造りを眺めてから、上の段の「古い町並み」をぶらぶらし、ここで昼食。マップや案内板にしたがって駅に戻るというプランだ。

 バス停の右側に見えている「かわい」さんと「くらの屋」さんでは、お土産を買ったり食事もできる。麺類や丼物、さらには五平餅などの簡単な食事やコーヒーだけで済ませたい人は、無理せずにフリータイムを駅前で過ごすのも悪くない。

 せっかく来たので珍しい景色を見たり美味しい料理も食べたいという「ぶらり観光隊」は、いざ駅前を出発。まず上の写真の駅前商店街を右手に進むと長い坂道を下る。下りきると右側に見えるのが「芳香堂」だ。

 そば饅頭というものは日本各地にあるのでそれほど珍しくないのだが、芳香堂のそば饅頭は木曽福島では元祖。先代の根橋智三郎氏が製法を確立したもので、シンプルながら上品なこし餡の甘さとほんのりとしたそばの香りは絶品。

 もちろんその日に食べるのが美味しいのだが、星のおじさんおすすめの食べ方がある。そば饅頭は生菓子で日持ちがしないので、買ったらすぐに箱から出してビニール袋に入れ、冷凍してしまう。食べる15分ほど前に冷凍庫から出しておくと、冷たくて、ポクッと割れてなんともうまい。急なお客があったときにも重宝する。

 芳香堂のある八沢商店街をしばらく行くと交差点に出るので左折。右に見えるのが雑誌などで有名なおそば屋さんの「くるまや本店」。ご覧のように、お昼時でもないのに観光客の長蛇の列。三時間のぶらり旅で寄る場合は、かなり待たされるので食べたらすぐに駅に戻るしかないかも。

 くるまやさんの前を通過して橋を渡ると信号がある。その信号を右折すると木曽町の中心とも言える「本町商店街」に出る。歩き始めてすぐ右側に見えるのがお菓子屋さんの「田ぐち」だ。

 和菓子だけでなく、パイやケーキなどの洋菓子も充実している。若い人に人気のジェラート店が併設されている。

 「田ぐち」でおすすめなのは「バニラクーヘン」と「御嶽もなか」。この二つは、2月13日の「御嶽山スイーツ」でも紹介したことがある。

 そしてすぐ目の前、道路の向かい側にあるのが観光客に人気の足湯だ。

 冷めないように蓋がしてあるので、こんな風に蓋をはずして足を浸ける。温泉は、来週あたり本ブログで紹介する「二本木の湯」からタンクローリーで運んできた冷鉱泉を加温している。ちょっと褐色を帯びていて良いお湯だ。

 足湯の前にある歩道橋を中程まで進むと、6月26日の「うぃーくりー」で紹介した「崖家造り」を見ることができる。なかなか壮観。

 足湯から、目の前に見える階段を上ろう。

 案内に沿って進むと「上の段の古い町並み」に出る。規模はそれほど大きくないが、きれいに整備されている。僕が子供の頃にはこんなに整然としてはいなかったが、当時から宿場町の雰囲気はあって、どこか懐かしい場所だった。近くに同級生の家が何軒かあったのでよく通った。

 ゆっくり昼食が食べられる「肥田亭」。おすすめは天ぷらつきで値段もお手頃な義仲御膳(1750円)。その他、名物の信州サーモン、信州牛のステーキ、地元で採れるきのこ類などを味わえるコースもある。

 営業時間と電話番号。今回のぶらり旅では時間が限られているので、立ち寄る場合は事前に予約しておく必要がある。電話:0264-24-2480

 ここで木曽福島の駅前に戻る。ところで、バスで木曽福島へ来る人全員が観光目的とは限らない。温泉でゆっくりしたのでもう遊ぶのは十分、という人もいるだろう。観光で歩き回るのは苦手だが、木曽の名物である「手打ち蕎麦」はちょっと食べてみたいし、あとはコンビニでちょっと買い物がしたいという人もいるに違いない。

 そういう人にオススメなのが、星のおじさんが独断で開発した「手打ち蕎麦とコンビニのお手軽コース」というプラン。所要時間は約2時間で歩く距離も1km未満だ。

 上の写真の駅前商店街を、先ほどとは反対に左へ向かう。かなり急な坂道を下りきると「塩渕」という信号があるので、そこを右折するとほんの100メートルほどでセブンイレブンがある。

 ここでお弁当やサンドイッチ、飲み物などを調達し、駅前に戻るのが一番お手軽なコースだ。
 美味しい手打ち蕎麦が食べたい人は、さきほどの塩渕の信号を左折してしばらく歩こう。木曽町で唯一の五階建てビルである「合同庁舎」が右手に見えてくる。

 道路を挟んで向かいにあるのが、長寿蕎麦の「とちの屋」さんだ。

 観光プランで紹介した「くるまや本店」のように観光客で混雑しておらず、地元の人や常連客が主なので(保証はしないけど)すぐに食べられる。しかもご主人自らが打ってくれるコシの強い本手打ちの田舎蕎麦だ。

 人それぞれ好みはあるけど、木曽のおそば屋さんで僕がおすすめするのはこの「とちの屋」さんか、隣町(上松町)にある寝覚ノ床の「越前屋」さん。こちらは江戸前の白いお蕎麦だ。そばの実を挽くとき中心部だけを使用するので白いそばになる。ちなみに上松(あげまつ)町は、最近人気沸騰中、大相撲関脇の御嶽海の出身地でもある。

 さて、星のおじさんによる木曽町の観光案内、いかがでしたでしょうか。木曽には、車さえあれば楽しく遊べるおすすめの場所がいくつもあるので、来週からも少しずつ紹介しよう。

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